運命

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「………ねぇ、慧。」 「ん?」 「なんでサッカーやろうと思ったの?」 一度聞いてみたかったので聞いてみたことがある。 そうしたらこう答えられた。 「父さんが高校のサッカー部の顧問しててさ、 サッカーはよく見に行ったんだ。 あと姉さんがいるんだ、俺。 姉さんいま中一でサッカー部のマネージャーなんだ。 姉さんについてって試合みたんだけど、 その学校強くてさ、 それで…」 慧の家族はサッカー一家だった。 プロはいないが、みんなサッカー大好きだった。 お母さんもサッカーが好きで、 幸せそうだった。 それから俺は部活に明け暮れた。 兄貴のおかげか先輩たちにはかわいがってもらい、 毎日部活三昧だった。 慧と一緒だし、 本当に幸せそのものだった。
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