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あれからまた月日は経った。
俺は中2、慧は中3になった。
その夏の出来事だ。
気づいた恋心を告げられずに中学生になり、今の関係に甘えながら月日を過ごしてた。
そんな時、慧に進路の話がでた。
永禄男子高校。
それが慧の希望する学校だった。
慧の家からは電車で3駅の割と近い学校で、レベルは低くもなかったし、名門校なので慧は反対されなかった。
もっとも。慧がこの高校を選んだ理由は他にあるのだが。
慧のお母さんは再婚した。
中3の春のことだ。
新しいお父さんと、小学生の妹と弟ができた。
仲が悪かったわけじゃないが、慧は気まずく感じていた。それを兄貴と俺は前々から話されていた。
「いい人だからこそ、一緒が気まずい」
だから慧は家を出ることにした。
でも慧のお母さんは過保護だ。
一人暮らしは絶対に許してもらえない。
だから慧は永禄高校を選んだ。
永禄高校の、寮を選んだ。
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