story 1:痛み

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  『自分は何で生きているんだろう?』   目の前に轟々と黒煙が広がる。 周囲の大人が罵声に近い声で 「早く火を消せ!」と叫んでる。   それをただ、 …生まれつきの碧い瞳で見つめていた。   『どうして僕は、 こんなに冷静なのだろう?』   音を立てて燃えている場所は、 自分の家があるというのに。   …自分の家族がいると言うのに   ―――――――――― 内戦が祖国全体を覆っていた。 宗教だか反政府だか…子供の僕には理解できなかったけど   記憶にあるときから 硝煙と炎に包まれて生きてきた。
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