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「結菜は佐和ちゃんのこと好き?」
「うん、大好きー」
「ありがとーう♪」
私は結菜をふざけながらぎゅっと抱きしめてブンブンと左右に振り回した。
「じゃあねー、ママのことはどれぐらい好き?」
私は敢えて聞いてみた。
「いっぱいいっぱい、だ~い好き~♪」
「そっかー、ママのことが大大大大好きなのかー!」
予想に反してあっけらかんと答えた結菜に拍子抜けしつつ、私は結菜をくすぐって2人で笑い転げた。
「じゃあー、次はー、結菜は結菜のこと…どれぐらい好き?」
結菜の表情が一瞬にして曇った。
「結菜?」
「結菜は…」
「結菜は…どした?」
「結菜は…死んじゃえばいい」
5歳児の口から放たれた『自分が死んでしまえばいい』この一言に、私の心臓はグニャッとなった気がした。
本気だと窺えたからこそ。
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