CASE 1

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  私が副業として約8年勤めている託児所。   この託児所は認可を受けたものではなく、主にシングルマザーで夜の仕事をしている方の子供を預かる、小規模なものである。     そんな託児所での何気ない、母の日が近付いた1日…     「はい、では…母の日にプレゼントする、お母さんと自分の絵を描いてみましょう」     この日、預かった子供は6人。 全員父親がなく、母親との2人暮らしだ。   当然のようにお母さん子ばかりなのか、みんな自分より母親から描きはじめ、綺麗なドレスを着せ、アクセサリーをつける。 クレヨンや色鉛筆を駆使して、頬にはピンク、唇には赤い色をさして…。     そんな中で結菜も例に漏れず、お母さんを綺麗に可愛く描く。   まだ5歳なので画力的には丸を描いた顔に髪の毛を付けたようなレベルだが、髪の毛をウェーブにしたり、服にリボンを付けたり、イヤリングもしっかり描いて、お母さんの周りには黄色いクレヨンでキラキラと輝かせている。   お母さんの事が大好きなんだな…と窺わせる。  
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