CASE 1

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  食事の用意が出来て結菜に声をかけると…   結菜は奥の部屋から出てきた。 手に絵は持っていない。   「ごはん食べよ?」と私が言うと、ニコッと笑って頷き、席に着く。いつもの結菜だ。     子供達が食事をしている間に、乾燥機にかけていたシーツを奥の部屋に運びながら、結菜の絵を探した。     あった… 結菜の絵は小さく小さく何度も折り畳まれて、ゴミ箱の中に入れられていた。   紙…後にパウチをする予定だったので、画用紙ではなくノートサイズの薄めの紙とはいえ、小さく折るというのは大人でもなかなか力のいるものだ。 何度も曲げて折ってを繰り返したのだろう…紙全体のシワは元より、折り目の角になった部分は小さな穴になっていた。   私はそっとエプロンのポケットにその絵を忍ばせた。     その後の結菜に変わりはなく、いつもの結菜に戻ったまま夜の就寝を迎えた。   安らかに寝息をたてる結菜の顔を見ていた。     思い過ごし? いや…でも…   結論は出なかった。     そして… この絵をどうするか。 母親に見せるべきか。   結菜としてみれば、見せたくないものかもしれない。 でも、何かのサインかもしれない…。     母親が結菜を迎えに来た。  
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