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「盗み聞きすんなよ。」
と、チトセが威嚇するように言った。
「お前の父ちゃんはお前にそんな話したのかァ…`簡単にやっつけるな´?バァーカ!弱いだけだろ!」
ギャハハと大声で笑う。
父親を侮辱されたことに怒ったチトセは、噛みつくように言い返した。
「うるせぇよ!父さんはお前らよりもよっぽど強いぜ!」
「バァーカ!戦わないただの腰抜けだろどーせな!」
ギャハハとまた笑う。
チトセは拳を強く握りしめて、悔しそうに唇を噛んでうつむく。
「父さんをバカにするなよ…!!」
チトセがカッと顔をあげる。
それは兎を追う虎のような、鋭く、冷たい目…。
幼い少年に不似合いな殺気に、俺は少し、驚いた。
中にチトセ以外の誰かが入ったような人の変わりよう…まだ幼い少年では有り得ない。
そんなチトセの変わりようを見ても、奴等はまた笑うだけ。
この殺気を感じれないとは、やはりたいした奴等じゃねぇな…。
さっきから俺が一言も喋らないのが気にくわなかったのか、奴らは今度は俺に絡んできた。
「おい!後ろのガキ!お前だよ、茶髪!」
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