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仕方なく視線を向ける。
「ビビったか?」
ギャハハとワンパターンでまた笑った。
俺はチトセの肩に手をおく。
スッと、強張っていた肩の力が抜け、冷たい目は再び暖かみを帯びてきた。
ぼーっとしたチトセを自分の後ろへやり、バカ共を正面から見る。
「そういえば、お前ら、何の用だ?」
「…………」
「なんだ、バカか。」
くくっ、と喉の奥で笑う。
わざと挑発してみる。
「んだと?誰がバカだ?あ゛ぁ?
思い出したぜ。俺たちはお前のような生意気なガキに人生の厳しさを教えに来てやったんだよ。授業料はいらないぜ?
そのかわりしっかり受けろやッ!!」
大剣を持った男が降り下ろしてくる。
動きが読みやすいのでチトセを引っ張って避ける。
大剣二人に大棒一人、バット…は大棒と同じか。あとは両刃ついてる剣、か。
なら………
「下がってろ。」
チトセを後ろへ放る。
「緑(リョク)」
スッと、茶色い髪に翠の目のまだ幼い、チトセくらいの男の子が現れた。
これも緋鬼の傀儡。対超近距離用の傀儡だ。
「相手してやる。
見てろよガキ。手ぶらじゃないんだぜ…」
後ろのチトセが驚くのを横目に見た。
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