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『いたぞ!あそこだ!』
突然声が聞こえた。
なにやら大勢の人間の足音がこちらへ向かってきている。
人形の街からの指名手配か何かでバレたか?
取り敢えず、逃げた方が良い。
周りには俺達の他には誰もいなく、どんな理由にせよ、明らかに向こうは俺達を追いかけてきている。
「ガキ、一応逃げるぞ。」
チトセの襟首を掴んで走る。
「こっち!」
パッとチトセが前へでて行く手を導いた。
「逃げたぞ!追え!街の南だ!」
後ろから、横から、結構な人数が俺達を追ってきているのが見えた。
これはまずい…よく分からねぇが、このままじゃ捕まる。捕まったらどうなるか分からねぇが、歓迎って感じでもないしな……やはり捕まらない方が無難か。
「緋鬼!やばいよこれ!」
前を走るチトセが足を止めた。
見れば、前から二人、右から三人、後ろから五人……
左に道はない。
「くそ………」
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