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「街でたくさん喧嘩をやっていただろ?ただの意地の張り合いなやつから、本気で殺そうとしてるヤバイのまで。この街には野次馬のフリをしてその中から強い奴を選ぶやつがいるんだ。誰かは分からない。武器屋の店員かも知れないし、絡んでくる柄の悪いやつが実はそうかも知れない。
お前は目立ったからな。目をつけられてもおかしくない。」
チトセの父親はそう説明してくれた。
今俺は、チトセの家に上がらせて貰っている。さっきの建物から10分ほど走ったとこにある、ボロい家だ。
父子家庭なのか、家には他に誰もいなく、お世辞にもあまり綺麗とは言えない。
「目をつけられたらどうなる?捕まったら。」
「どこかの戦争に連れてかれる。……だけならまだしも、元は無理矢理だからな。洗脳されてからだ。」
洗脳?そんなバカな。
チトセもそれは初耳だったのか、えー!と悲鳴じみた声を出した。
「洗脳して、依頼主…戦争の軍の頭だろうな…に売られて、まぁ奴隷ってとこだ。」
「やばいぜ緋鬼!早く街の外に逃げなきゃ!」
奴隷はやだな……
「お前は緋鬼ってのか。いい忘れてたが、チトセが世話になったな。」
不意にかしこまって、軽く頭を下げられた。
「いや…。
それよりあんたの名前は?」
「チグマだ。刀職人やってる。良かったら見てきな!」
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