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「………しばらくして、上の奴らが来た。
チトセを連れていこうとな。俺は、それが刀のせいだと言った。」
「それで黒羽は持ってかれたのか。」
俺は顔をあげて膝を伸ばす。
「上の奴らって、何か機関か?」
「分からないが、多分、街のお偉いさんが命令してる。確か、正式名は…`牙´だな。お偉いさんが獣だとしたら…奴らの欲する物を捕らえる、牙そのものだ。」
「そうか。」
「悪い……長々とどうでも良いことを話したな。」
チグマは弱々しく笑って俺を見た。
「別に。」
きっと、誰かに聞いて欲しかったのだと思った。
過去に興味は無かったが、特に止める理由は無かった。
ガシャンッ
店の方から音がすると同時に、チトセの声が聞こえた。
「緋鬼!逃げろっ!!」
はっとしたと同時に、頭に何かが突き付けられる。
鈍く光る拳銃。
『君をサツキ様がお呼びです。』
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