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「ぐぁ……」
サツキが刺された手首を押さえる。
床に落ちた黒羽をすかさず緑で拾い上げると、ついでなので、サツキに駆け寄ったグラサンを思い切り蹴ってやった。
そして緑を自分のすぐ後ろにつけつつ、出口へ走る。
グラサンと男たちが追いかけてくる音が聞こえる。
パァン!!
乾いた音が響いた。
自分に痛みはない。
ということは……
緑を見れば、肩を撃たれ、中の木やら金具が見えてグロテスクな状態になっていた。
あー…後で直さなくちゃな。
続いて五発ほど銃声が響くが、威嚇のつもりなのか避けて撃っているようだ。
また、乾いた音が響く。
「ぐわあ゛ぁァ!!」
!?
ちら、と後ろを見ると、何故かグラサンが撃たれていた。
「役立たずが!!」
サツキが、刺された手首を庇いながら怒鳴っている。
仲間割れなら好都合だ。
しかも仲間を撃ったら自分に不利じゃねぇか。バカなんだな…
と思いながら、緑を戻し黒羽を持って出口を出た。
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