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あとは………
オブジェ、というより塔を出る。
後ろから階段を駆け下がる音が聞こえたが、逃げるのは余裕だ。
ピューッ!!
突然、指笛が響いた。
なんだと思うと、街のあちこちから人が集まってくる。
街の人間全員ではないらしく、何が起こったのか分かってないやつもいた。
ここは街の中心だ。
しかも広場のように、半径50mには何もない。
囲むつもりか?
直ぐ様広場を抜けようと走った
が、遅かった。
すでに人は集まり、後ろの足音は止まっていた。
カチャリ
と、再び後頭部に違和感を感じる。
俺はゆっくり手を上げた。
「手間をかけさせるな。君一人の為にこんなに大勢の人間が集まったんだ。感謝しろ。」
サツキが後ろから言ってくる。
「脳を破壊したら感謝の心も無くなるぜ?」
言うと同時に、一か八か思い切り振り返ってサツキの手首を掴んだ
パァン!!
銃を発砲すると同時に、視界の端で誰かが倒れる。
銃を掴む手首を握りしめ、サツキの顔目掛けて足を回す。
しかし、負傷しているが空いていた腕で足を捕らえられ、動けなくなってしまった。
グラサンたちが俺を押さえる。
だが、俺を押さえる二本の腕を軸に、くるっと逆上がりをすると、上手く拘束から逃げ出した。
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