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ザーッ……
雨は強くなっていた。
茶色い髪を雨に滴らせ、緋鬼は辺りをみる。
誰もいないな…
腕にだらしなく抱いているのは、白い腕に不釣合いの黒い刀を持つ傀儡。肌と同じように白い服を着ていたが、点々と付く赤い滴が雨によって流れていた。
もう誰も追ってこないか。でも早く行ったほうがいいな…。
緋鬼の腕から傀儡が消える。
その代わり革紐のペンダントに下がる銀のプレートに、一つ、プレートが増えた。
緋鬼はペンダントを隠すと、赤く染まった静かな道を歩いていく。
累累たる屍には目もくれずに―――
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