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「はぁ?!!じゃあ何でこの街に来たのよ!まさか売られにでも来たの?!!」
いちいちテンションが高ぇ。
「さぁな。売られには来てない。」
「なんで来たの?答えなさいよ。気になるじゃない!」
勝手に理由あるものだと決めつけられた。
「だから、ねぇよ。迷って歩いてたらここにきちまっただけだ。」
正直に告白したが、女は腕を組み、明らかに疑った目で俺を見る。
「ふぅん。なにか怪しい目的がありそうね。
いいわ。あんたがこの街にいる間、私が色々面倒みてあげる。」
女は胸をはって上から目線でものを言う。
高い位置であげたツインテールが、わがままなませた子供みたいだ。
「いらねぇよ。自分の面倒ぐらい自分でみる。ほっとけ。
大体、お前俺と大して歳も変わらねぇだろ。」
「あんたよりか家事とかは慣れてるわよ。絶対ね。
良いから家に泊まりなさい!!」
女はそう言うと、俺の腕を引っ張って歩き出す。
抵抗したが、掴んだ手はびくともしない。凄い握力だ。
「おい女っ。放せ。」
俺が睨むと、女はキッと俺に振り返り叫んできた。
「おい女っ、じゃないわよ!!ルリアよっ!!!」
似合わねぇ名前……
そのまま俺は引きずられるようにして、そいつの家に連れてかれた。
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