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「さ!どうぞ」
わざとらしくルリアは言うと、嫌がる俺を無理やり家へ押しいれた。
道沿いに煉瓦造りの同じ家が並んでいる。並んでいるというよりは、繋がっていた。所々に石の階段で少し上がったドアがあり、どうやらその階段が各戸の目印のようだ。
中へ嫌々あがる。
「はぁ…」
思わずため息が出た。
「何よ。何か文句があるの?」
すかさずルリアは不機嫌そうに緋鬼を睨む。その時、
『お帰りーっ!!!』
突然、無邪気な声と共にドタドタという騒がしい足音が聞こえてきた。
奥からまだまだ幼い少年少女が笑顔で駆け寄り、ルリアに抱きつく。
まだ、4・5歳といったところだ。全部で六人。
俺が唖然としてると、ガキの一人が俺を見る。
「お兄ちゃん新入り?」
「あ゛?」
俺を見上げた無邪気な視線が痛い。他のガキも皆俺を見る。
「ちょっと、この子達を脅かさないでよねっ。
はい、みんなー!今日から一緒に住む、緋鬼だよー!仲良くしてね。」
ルリアが子供達へ微笑んだ。
「やっぱり新入りだー」
はじめに俺に気付いたガキが言う。
「おい、その歳にあるまじき言葉知ってんな。」
しゃがんで目線を合わせると、その男の子は得意気に笑った。
「新入りは家事やるのよ。」
とルリアが後ろから言ってきた。
ほう…新入りは家事……ね…
「こいつらに家事が出来たわけねぇだろ。嘘言ってんじゃねぇ。」
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