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「で、こいつらは何だ?」
一つの部屋に、六人の子供があちこちに足を投げ出して疲れきって寝ていた。
散々ガキの遊びに付き合わされ、早く逃げれば良かったと後悔する。
「私もこの子達も両親がいないのよ。
この子達は商品。
私の大切な、売り物よ。」
あっさりと、事も無げにルリアは言った。子供に乱れた布団をかけてやりつつ、愛でるように頭を撫でる。
「商品…。売られたらどうなる?」
ほんの興味で聞く。
「さぁ。知らないわ。ただ私は売ってるだけだから。」
「私からも聞いていい?
あんたはなんでこの街に来たの?」
不意にルリアが大人びた口調になる。まるで、退屈している水商売の女のような。
俺が水商売の女を知っているのか、とかいう疑問は捨てろ。
「お前は俺が何か目的があってここに来たと思っているようだがな、本当に何もねぇ。この街の前にある道を間違えただけだ。」
「なら、何故すぐに引き返さないの?」
問い詰められてるような圧迫感が苦手だ。つい正直に答えてしまう。
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