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「おはよう!」
体を起こしてすぐに声をかけられた。
そういや、人の家に居るんだったか…。
「ほら、返事くらいしなさいよ。」
「あぁ。」
「おはようって言われたら、‘あぁ’じゃなくて、おはようって返すんでしょ?!」
起きてそうそうテンション高ぇ。
いちいち相手してられるか、と思って無視した。
「はぁ…………」
ため息つきたいのはこっちだ。
絶対今日この街を出よう。
と、ぼんやりする頭で決めた時、ふと気づく。
ガキが一人いねぇ。
まだ熟睡している子供は五人だけだ。まぁ一人だけ早起きの子供がいても不思議じゃねぇか。
しかし、そんな利口なガキがいたとは思えないので、一応聞いてみる。
「一人いねぇが、いいのか?」
朝食の用意をしつつ、ルリアは素っ気なく答えた。
「今朝、売ってきたのよ。
他の子にはいつも、親が迎えにきたと言ってるから、話合わせてね。」
「今朝?今も充分早いじゃねぇか。」
緋鬼が起きたのは、ようやく月が見えなくなるころ。空は白く、ほんの少し太陽の光が見えたくらいだ。
「月は見えてたけどね。」
それは朝なのか…早いな………
俺はかなり早起きだと自負していたが、それ以上か、と思うとまた眠くなってきた…。
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