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街の中に入ると、一見汚く見えるが意外と綺麗な路地が続いていた。
威勢のいい男たちが、武器を叩き売りしていたり、ガラの悪い奴等が、街の中央にある掲示板を見つめていたり、大通りではあちこちで喧嘩をしている。野郎共が集まる、とにかく暑苦しい街だ。
トンッ
「あ、悪ぃ!」
横から出てきた、まだ10歳くらいの少年とぶつかる。
「気を付けろよ。」
向こうがぶつかってきたので謝る必要はないと判断した。
「あぁ!」
口調こそ生意気だが、声変わりのしていない高い声は人を不快にさせない爽やかさを持っていた。
少年はまた走り出そうと前を向いたが、俺に視線を戻すと立ち止まった。
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