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数分後、宗弥の部屋の扉が開いて、機嫌の良さそうな麻仔と機嫌の悪そうな千夜が戻ってきた。
「あ。宗弥君もう上がってたんですね。やっぱり男の子は早いんですね」
「いや、君達が長いんだと思うよ…」
長くても二十分かそこらしかかからない宗弥からすれば、1時間以上入っているのが不思議で仕方がなかった。
「仕方がないですよ。この子が暴れるから」
と、麻仔は千夜の頭にポンと手を置いた。
ブン!──ボフン!
「馴れ馴れしいわよ。犬っころ」
頭に乗せられた手を払いのけるなり天誅君を抜き放った千夜だったが、それは、麻仔が取り出した六法全書で防がれた。
「まだ、教育が行き届いてなかった見たいですね…。なら、再教育をしてあげますよ。この猫娘…!」
そんな二人を視界に入れながら、宗弥はよく飽きないなぁ…と心中で呟いた。
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