第二章 予言者

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日が沈み始めるとそこは誰も知らない神秘の世界になる。  人間がいなくなったかのような静けさ 人間がいるような騒がしさ 居るのは人じゃない。 この世に平和をもたらす使者たち。 『ほら、コレが見えるだろう?お前には十分素質がある。コレでお前もれっきとした…』 なに? 聞こえないよ。 待って、行かないで! 『ボク』を置いていかないでよ!! 「…ベ、ルーベッ!!」 「……う、う~ん…」 「うなされていたけど大丈夫?」 「な、なんとか…。」 「なら、いいわ。はい、朝ごはん」 「ありがとう。」 シーファと出合ってからもう一週間が経つ。 相変わらず、シーファは『ボク』の事をすこし悲しい目で見る。 でも、少しは心を開いてくれたらしくよく話すようになった。 ただ、野宿は辛いらしく、昨日から少し機嫌がわるいらしい。 「大丈夫だよ!一昨日泊めてくれた人たちが言ってたじゃん!今日あたりに目的地のミルニー街に着くって」 「ルーベが道に迷わなきゃ、昨日のうちに着いたのに…」 僕たちは今、大きな教会があるっていうミルニー街に向かっている。
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