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あ、だから体中が痛いのか。でも、病院じゃなさそう…。
「ここはミューラ…、さっきの人の家だよ。」
部屋を見回していたら、ベレンスさんが答えてくれた。
「んー…まず、簡単なテストをしようか。」
「はい。」
僕が答えると、ベレンスさんは近くの引き出しから紙とペンを取り出し、何かを書き始めた。
「コレはなんて読む?」
「え、文字…なんですか?」
「はは…、ここの文字だよ。」
乾いた笑いをされてしまった。文字が文字に見えない。
記号?より絵に近いかも…。
「…全部覚えるまで家には帰せないなぁ…。」
「え!?」
「大丈夫、厳しくしたりしないかもしれないから。」
「どっちですかッ!!」
「さ、勉強しようか。」
こうして、僕はベレンスさんに様々な事を教えられることになった。
それからしばらくして、僕はこの世界に『能力』があることを知った。
そして…少し思い出したことも。
今日は…家へ帰る、いや、向かう日だ。
これから、何が待っているのだろう…。
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