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その夜の食事は巧と私と加藤で街のレストランに入った。
「いやぁ~やっぱり甘くはないね凱旋門」
「あんなにムジカが強いとは思わなかったなあ~」
いつもの巧だ。切りかえの早さも一流の証だろう。
「実はな、誠に見てもらいたい馬がいるんだよ」
「デビュー戦を勝って、今年もう一戦使って来年は間違いなく大きなところを狙える馬なんだ」
「また今年もダービー勝つつもりかよ~」
「少しは遠慮してくれよなぁ~」
「牝馬だけどな」
「でも今日も牝馬に負けちゃったし、強ければダービーだって夢じゃないよ!」
「私も私も😃一緒に見に行っていいですかぁ~」
「口に食べ物含みながら喋んな😒」
「ハハハ😃 いいですよ三人で帰りは大阪に向かいましょう💡」
厩舎の馬房で静かなたたずまいでこちらを見ている馬…
これが巧が惚れ込んだ「レイラ」か。
なにかやさしい瞳の奥には確固たる自分の意志を感じさせるような馬だ。
「…この馬…記者の加藤さんには内緒だけど…」
「…実はな…」
「なんだよ巧らしくない歯切れの悪さだな~」
「信じる信じないは誠に任せるけど…会話ができるんだよ」
「はぁ?大丈夫か巧💧」
「だいたい馬の骨格で人の声なんてだせるわけないだろ」
「喋るなんて言ってないだろ会話するんだよ」
「どういうことだよ?」
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