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「各馬ゲートに収まりまして…スタートしました」
「好スタートはビルドアップ先頭をうかがいます」
「一番人気のレイラは後方からレースを進めます」
「先頭を走るビルドアップは後続を引き離します」
「前半の1000Mは59秒、これはいいペースに持ち込んだ」
「しかし、ここで後続との差がみるみる縮まってきたぞ」
…よしよし、いいぞ!上手くリラックスして走れてる…これなら直線でももう一伸びしてくれそうだ💡
ビルドアップもその気になってる…これなら!
「第4コーナーを回り最後の直線です」
「先頭のビルドアップは2馬身ほど前に出てます!」
「さあ、ここで後続が先頭に襲い掛かる」
「レイラだ!レイラがいい脚だ!しかしまだ追い出しにかからない」
「名手篠原動かない!」
「先頭のビルドアップ志田懸命に追う!」
「馬体を併せて追うが篠原動かない!」
「きわどい勝負になりそうだ…」
…「なんなんだよあの馬は」
レース後の検量室では一着の写真判定を待ってはいたが、負けていることは分かっていた。
私は見たことがないが、昔トウカイテイオーという馬が産経大阪杯でまったく追うことなく勝ったという話を先輩から聞いたことがあったが、まさか自分がやられるとは…
写真判定が出た。しかもなんだよあの写真…
「誠、おしかったな😁」
「楽しんでもらえたか?」
「おしくもなんともねーよ」
「余裕見せすぎだろ。もし負けてたら問題になってるぞ」
「…て、あの写真見たらもうあきれるしかないな」
「あれは着差に関係なく、レイラとの打ち合せ通りだから気にすんなよ」
「気にするわ!」
判定写真はこちらに顔を向けて親指を立てている巧と同じくこちら側に顔を向けて歯を見せて笑っているレイラが写っていた。
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