ジョッキー篠原巧

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地元フランスのメディアでも特集が組まれるほどチェンジザワールドと篠原巧の注目度は高い。 日本からやってきた報道陣の数も凄いものだ。 今日も好天に恵まれてチェンジザワールドの不安材料も一つ減ったな。 …「で、なんでお前がここにいるの?」 「わざわざ新米のなにもできそうもない加藤に天下のスポ朝が派遣するわけないのになぁ~」 「なに言ってんの?」 「プライベートよ!」 「えっ💧新聞記者ってそんなに稼いでんの?」 「誠ちゃんの馬券で儲かっちゃった🎵」 「ありがと~う😆」 「まさか関屋記念の三連単?」 「そのまさかよ🎵」 「…お前、そんなこと一言も言ってなかったよな~」 「なに細かいこと言ってんのよ!レースが始まるわよ」 凱旋門賞勝利のお祝いに私も混ぜて~とか言いかねないな💧 俺の不安材料は一つ増えたみたいだ😒 そろそろスタート時間だ。 …レースが終わった…信じられない…言葉がでない… 負けた… あのチェンジザワールドが負けた。 競馬は走ってみなければわからないものだが…それにしても… 巧は完璧に乗った。 道中はスムーズに折り合い、最終コーナーは抜群の手応え、馬なりで先頭に並びかけて直線の半ばまで追い出しを我慢できるくらい余裕があったのに… そこからはチェンジザワールドとムジカが抜け出し二頭の追い競べになり、ゴールでは頭差の決着… 着差はわずかだが、内容とすれば完敗だ。力でねじふせられた。 あんな馬がいるなんて… レース後の報道陣のインタビューに答える巧は思ったよりサバサバしていた。 だが、本当の心境はどうなんだろう?
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