プロロロロ~グ

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「今日はいい天気だな…」 青空を見上げ呟く。 澄み渡る青、いろいろな形になる綿飴のような入道雲。 只今夏、真っ盛り。 縁側に横になり団扇で仰ぐ。 こんなに暑い日は団扇で得ることのできる涼しさよりも、動かす腕の熱量の方が大きい気がする。 そんなことを考えながらウダウダ無駄な時間を過ごしていた。 とその時、腹のあたりに重いものがのしかかった。 何かと思って見てみるとそこには同い年ぐらいの女の子が首を傾げて座っていた。 可愛い女の子なのだが明らかに普通じゃない。 この暑い中、十二単を着ていたからだ。 それが俺とアイツの、最初だけど最初でない出会いであった。
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