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僕の言葉に漱石先生は、意外そうな顔する。
「何でなのじゃよぉ。いいじゃんかぁ。
わしも携帯小説に、ホストと猫耳女子高生の禁断の恋とか書きてぇんじゃよぉ」
「それより明暗の続き書いて下さい」
明暗とは、漱石先生の最長の作品であるとともに、先生が途中で死んだ為に未完となってしまった作品の事だ。
「マジ無理。あんな暗い話。
今書いたら地球爆発させて<了>だから」
「オチに困った小学生の漫画じゃないですか!!」
「いや、マジで爆発させる気だったから。
マジグッドタイミング寿命
略して漱石マジグッドタイミング寿命」
「略すどころか増えてますよ」
それにしても、漱石先生が、こんなにも携帯小説に好意的だったなんて意外だった。
さっきから潤むような瞳で、漱石先生がこちらを見てくるのと同じ位意外だった。
てっきり、もっと……てっきり、ちょ、何で近付いて来るんですか先生!!
てっきりもっと……臭い!!幽霊なのに臭い!!
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