漱石先生に聞け

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「オッス。おら漱石。いっちょやってみっか」 これがはじめての言葉だった。 迷わず通報した。 止められた。 「僕は悪い漱石じゃないよ」と訳のわからない事を言い出したのでもう一回通報しようとしたら止められた。 いやいや待ってください、待ちませんよとグダグダやってるうちにずるずるこんな感じになっている。 仮にこの本格的に駄目な人が夏目漱石だとしたら、一体死んだ後どんな悲惨な罰でこんな事になるのだろう。 「萌・子!!萌・子!!」 既に漱石先生の心のギアはフルスロットルだ。 「すみません。漱石先生。もう少し心のギアを下げてくれませんか」 「何言ってんの!!萌子ちゃんの可愛いらしさに漱石もう限界!!」 「僕の部屋で勝手にMAXにならないで下さいよ」 これが、かつて日本の文豪だったのか…
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