ようこそ神秘研究会へ

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💠あいす→ フェンスをくぐるとそこには静かな世界が待ち受けていた。ひっそりと佇む日本家屋。 その一室には 梯子に登り手を伸ばして天井に御札を貼り続けている、日本家屋とは縁がなさそうな格好をした桃歌、 下で梯子を支えながら床に散らばる御札を次々と桃歌に手渡ししている、日本家屋の意味も知らなさそうな蜜柑、 そして 縁側に座り一人寛ぐ華月がいた。 始めこそ御札貼りを手伝っていた華月だが、その作業が天井にまで差し掛かる頃にはすっかり飽きてしまったのだった。 目の前の遊具に囲まれた狭い世界をただぼんやりと眺めていた。 「退屈かな?」 後ろから声をかけられて振り返る。そこにはあの男性が立っていた。手にしているお盆にはお茶の入った4つのグラスと煎餅が並んでいる。 「さぁ、君達もお茶にしよう」 部屋に向かって声を掛けるとすぐさま2人がやって来た。 「お、さっすがタクマ!ありがとー」 「へ~タクマくんって名前だったんですね!」 蜜柑が早くも煎餅をバリバリと食べながら男性を見た。どうやら何も知らずに入部を決めたらしい。 もちろん突然連れて来られた華月も例外ではない。      「あ、そういえばタクマの紹介してないじゃん!」 蜜柑の反応を見て今更ながら桃歌が気付いた。 「この人は宅間 源一(タクマ ゲンイチ)。タクマでもゲンちゃんでも先生でもなんとでも呼んであげちゃって!」 桃歌に紹介された当の本人は恥ずかしいとでも言うように頭を掻いている。 「やめてくれよ桃歌。やっぱり先生って響きは恥ずかしいかな~」 華月と蜜柑は思わず顔を見合わせた。 新入生じゃなかったんだ!!! 先生という事よりも同い年じゃないという事実に衝撃を受けたようだった。    
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