プロローグ

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面白過ぎて、ヘドがでる。 要らないなら要らないと、消えてほしいなら消えてほしいと、言えばいいのだ。態度で遠回しに現すのではなくて。 じゃないと、解らないよ、あたしは。自分の痛みに鈍感だから。 家に帰れば帰ったで、あたしの居場所は無い。少し前まで、母親と二人で住んでいた時は、まるで空気のような扱いだった。最近、母親は再婚し、新しい父親とその息子と同居を始めたが、母親のあたしに対する扱いは変わらない。 あたしには準備されない朝食。払って貰えない給食費。中学二年生のあたしには、そんな事をされると非常に困るのだけど。 ただ、嬉しいことに母親の再婚相手の息子、あたしにとっては兄となった人が、あたしを気にかけてくれて。この前は、バイト代から給食費を出してくれた。 母親にばれて、ビンタされたけど。 何だかもうどうでもよかった。虐待されてるとは思わない。育児放棄でもない。あたしの存在がいけないだけだから。 あたしの父親は、殺人鬼だ。
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