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仕事を終えて、車に乗り込む。
自分にとっての仕事とは、依頼された人物を抹消すること。
それがいつもの変わらぬ日常。
悲しみを背負って、心に嘘をつきながら暮らしてなどいない。
罪悪感などかけらもない。
きっとそういう風にできているのだろう。
人を殺してはいけない。
それは誰が決めた?
法律で決まっている?
法律を守らないとダメだと誰が決めた?
やめよう。
小学生のホームルームみたいだ。
生きる為に動物を殺して食べていいなら、俺は人を殺すことで、間接的ではあるが生きている。
何が違う?
目立たないように暮らしてはいない。
逃げるように生きてなどいない。
殺す相手に感情は持たない。
配線が剥き出しの手作りのパソコンに次の依頼が入った。
依頼がどこからきているかを把握する為に後で俺は調査をする。
依頼の相手を把握しないまま引き受けるほど、勇気はないし、バカでもない。
一匹狼でもない。
そんなに自分のいる世界はシンプルな状況ではない。
イギリス特有のスペリングミスのある依頼が来ていた。
「やれやれ、今そこから帰ってきたばかりなのに」
そうつぶやき、受話器に手を伸ばした。
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