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4回程、電話が転送された後、やけに陽気な男の声が受話器の向こうから聞こえた。
いつも脳天気な奴だ。
しかし、仕事は確実敏速。
こいつに調べられない事はない。
名前は確かバナディーヌとか言ったか。
しかしそんな意味のない記号はどうでもいい。
「いつも通り頼む、これから届けさせる」
「あれ、どうしたのいつもはフランス語なのに?」
「ああ、すまない、でもわかるだろ?」
「わかるけどさ、あなたの日本語なまりのフランス語好きなのよ」
おまえのオカマしゃべりの日本語よりはマシだ、心の中で呟き受話器を置いた。
ふとドアの向こうに人の気配を感じ、オレは銃を背中に挿し、ゆっくりと近づいた。
呼び鈴が鳴る。
ドアスコープから覗くような真似はしない。
ドアスコープの少し上から真下まで縦に普通は撃ってくるものだ。
しばらくだまっていると、ドアノブをピッキングする音が聞こえた。
いきなり開けて、質問するのもお洒落だが、お洒落で命を落とすほどジョーク好きじゃない。
ドアの横の陰で待つことにした。
二分、ドアが開く。
まあこのタイプの鍵にしてはかなり速い方だろう。
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