44人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
ゆっくりとドアが開く。
光が一筋漏れ、その角度が広まっていく。
右腕がまずゆっくりと差し出される。
手にはコルトウッズマン、なかなか渋い銃だ。
気配から人数は一人。
右手首をつかむ。
内側にひねりながら投げ飛ばす。
落ちた相手の銃を蹴り飛ばし、こめかみにグロックを突きつける。
「なんのようだい?」
「・・・・」
「早くしてくれないかな、駆け引きは嫌いだよ」
「Rの件から手を引け」
「R?」
「悪いことは言わない、やめたほうがいい」
「ご忠告ありがとう、もういいよ。出ていったら?」
黒い服で身を固めた女は飛び出していった。
問い詰める時間が嫌いだし、別にどうでもいいことだ。
ただ、このアパートにはもういられないようだ。
翌日、フランス人から電話があった。
依頼主は中国人。上海にいるようだ。
ターゲットも上海にいる。実にシンプルだ。
上海に行けばいい。
最初のコメントを投稿しよう!