44人が本棚に入れています
本棚に追加
「死んだと聞いていたけどね。噂はあてにならない。」
「あなたはなかなか死なないね」
微笑んだまま、黎はそう言った。
「ターゲットは確認した。ストーリーもね。今日は依頼を断りに来た。あまり好きじゃないストーリーだ。それに俺は子供を殺さない。」
「そんな、小さなわけのわからない正義感が貴方の持ち味ね。子供を殺さない理由は?今まで何人殺したの?敵討ちみたいな仕事ばかりしてるみたいだけど、貴方は神じゃないわ。それも人の命を奪ってることに何の違いもない。」
「反論するつもりはないよ。議論しにきたんじゃない。嫌だから嫌だ。そう言いにきただけ」
「今、この階の外に部下が集まってきてる。あなた一人で抜け出せるつもり?」
「少なくとも100人は道連れにするよ。あんたの部下のレベルが低ければ、もっとだ」
「あなたは相変わらず面白い。わかった。この依頼は別に回すことにします。ところで私の仲間にならない?貴方の不思議な運が欲しいの」
「いいよ」
「えっ?」
「予想外の答えをするのが趣味なんだ」
そう言って俺は微笑んだ。なあに組織なんて後からいくらでも抜けられる。
「ただし、仕事の選り好みは変わらない。それでも良ければ」そう俺は付け加えた。
組織に属さないのがかっこいいわけじゃない。
勿論入ったから安全というわけでもな
いが。
最初のコメントを投稿しよう!