たいようのようなひと

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私は動物のようにブルッと身震いをして、涼の背中に手をまわしてゆっくりと抱きしめた。 奇跡のようなこの時間は今だけかもしれないから。 貪るように私は、涼の体温を、においを、カタチを感じることに集中した。 本当に夢みたいだ。 涼に夢中だった学生時代の私に自慢したい。 愛も、もしかしたら恋さえも知らなかったあの頃の私。 恋焦がれていたのは、涼に対してか、恋自体に対してか…。 それでも胸が痛くなるような切ない想いはしっかりと感じていた気はする。 自分自身の気持ちでさえも、過去と現在の気持ちの大きさを計るのは難しいみたいだ。 小ささは、記憶にさえも残らないのにね。
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