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ピピピピピピッ……!!
目覚まし時計が勢いよく鳴り響き、朝が来たことを告げる。
(プチッ)
俺はアラームを切った。
その後しばらくしてから目覚めたばかりの鈍く、重たい体をゆっくりと起こす。
そしてさっき見たやけにリアルだった夢を思い出す。
「最近ずっとだな……」
と誰に話し掛けた訳でもなく俺は独り言を呟いた。
そう……さっき見た夢は一週間程前から毎日見ている。
いつも同じ始まり方に、同じ終わり方。
だが、考えたところで何も出来ない、する必要もないのだ。
所詮は夢なのだから。
その後、俺は台所へと向かい朝食の準備を始めた。
俺はずっと前……それも小学5年生くらいのときから1人で暮らしている。
俺の親父は社長で会社を経営している。
俺が生まれた頃はごく小さな会社だったそうだ。
だが時は流れ今現在、会社は日本で三本指に入る
ほどの成長を遂げてしまった。
その親父の妻はというとお約束のごとく秘書と呼ばれる役職についている。
息子である俺自身、詳しくは知らず、また知りたいとも思わない。
ましてや母親などとも思っていない。
本当の母親はもういない。
そんな重要な役職に就いてる俺の両親2人はいつも忙しくて……
俺はいつも相手にされなかった。
それが気に入らなかった俺は、そんな両親に対する反抗として、家を出た。
流石に心配したのか俺の親父は、住む場所と生活費だけは用意してくれた。
余計なお世話だっての…
…
そんな訳で、俺はそれから今に至るまで、ずっと一人暮らしを強いられているのだ。
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