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寂しいという感情は、当時幼かった俺には無かった。
もちろん成長した今でもそれは同じだ。
そう、寂しくなんかない……
俺にとってはこの1人きりの生活が当たり前になっていたから……
ただ1人で住むには大き過ぎる家だ。
部屋は全部で6つもあり、1人で使うには多過ぎる。
実際、その中で俺が使っている部屋はたった1つだけ。
はぁ~いっそのこと誰か、困ってる人とかに使わせてやりたいぜ……
もちろん有料だけどな。
いや……冗談だからね??
そっ、そんなことよりだ!!
そんな広過ぎる家に1人で住んでいるためか、ごくたまに…俺は少しだけ孤独感を感じることがあった。
はぁ~馬鹿らしいよな……
そんなこと思ったって、どうにかなる訳じゃないのにな。
そして朝食を作り終えた俺は…
といっても焼いた食パンにバターを塗るだけなんだが…
その朝食を食べ終えると、制服に着替え、10分後には家を出た。
家を出ると空には雲一つ無い、快晴だった。
俺はその空へと向かって大きく背伸びをし、朝の気持ち良い空気を満喫すると、学校へ向けて歩き出した。
しばらく歩くと、ある人物との待ち合わせ場所である公園がある。
そして今日もその人物はそこで俺を待っていた。
「遅いよ~なお君!!来ないかと思って、心配してたんだからね?」
その人物は俺を見つけるとそう言った。
みんなが勘違いしないよう、今のうちに補足しておくことにしよう。
俺を待っていたこの変な喋り方…いや、気持ち悪い喋り方の人物はれっきとした男…いや、“♂”だ。
悪い奴じゃないんだけどなぁ……
こいつは俺の友人で、親友と呼べるくらい仲が良い。
親友と呼んでやってもいいんだが……
いや……やっぱりやめておこう。
そんなこと言っちまったら、益々付け上がるだけだ。
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