バイクと仲間と彼女

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あの時、俺は空を見ながらタバコに火を付けて、最高に気持ち良い時間を過ごした事を 俺達の他に誰も居ない駐車場でそう思った事を、思い出していた。 あの時の俺達は、今その時の(瞬間)を、青春て言うノートのページに、1ページごと、丁寧に刻み込んでいたんだ。 あの時、砂利道だったこの白糸の滝に続く道も、今は舗装されて、見る影もないが、あの時俺達は、ここで笑い、ふざけあって、仲間との楽しい瞬間を素直に感じ取っていた。今の俺には無い心で。 駐車場に着き車を止めた。 あの時の俺の口癖が蘇る「時間は、戻らないし、止まりもしない、だから俺も止まらずに前に進むだけだよ」 自分の口癖ながら、青臭さに恥ずかしくなった。でも今思う、あの頃の自分を取り戻す事が出来ないかと。
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