第一章

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開き直ったのはいいけど、桜井本人に逢うのは気まずかった。 今日はゼミの授業が3講目にある。 俺は朝からドキドキしながら学校へ行った。 「あの人でしょー」 「そうそう、桜井さんのこと好きとか叫んでたの」 朝から指さされて、ヒソヒソ言われた。 気にしないようにしていても、小心者の俺は内心ビクビクしていた。 家に帰りたかったけど、サボらずに授業を受けた。 キーンコーンカーンコーン チャイムが鳴るとそそくさと教室を出て、部室へ向かった。 誰もいない部室で、ひとりでお弁当を広げた。 昼休みが終わったら、3講目にゼミがある。 桜井に会うのがこわい…
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