第三章

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俺は子どもの頃はツいていなかったと思う。 散々…自分の人生を、親を怨んで生きてきた。 風邪引いて寝込むと気が弱ってるせいか、子どもの頃の夢を見るんだ。 だから、今日はネガティブだ。 「響ー…メロン…」 ちょっと姿がないと思った姉ちゃんは切ったメロンを持って、俺の部屋にいた。 「うわーメロンだぁ!姉ちゃん、ありがとっ!」 俺はハシャぎながらメロンを食べた。 そんな俺を姉ちゃんはニコニコしながら見ていた。 桜井は今、何してるのかな? 何を考えて……… ふと桜井の寂しそうな顔が過ぎった。 いたたまれなくなる…焦燥感? メロンを食べる手が止まる。 俺はメロンをいっきに食べると寝間着のまま学校へ向かった。
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