第三章

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会って俺はどうしたかったのだろう‥? わからない。 "あいたい"ただそれだけで俺は動いていたんだ。 俺の体は沸騰しそうなくらい熱くなっていて、俺はその場に倒れこんだ。 「ひぃくん‥」 優しい声が響く。 あったかい、澄んだ高い声‥ 「今日からこの人たちがひぃくんの家族よ」 母に手を繋がれた7歳の俺の前に気の強そうな女の子とやんちゃそうな男の子と‥‥‥ 「東海林 倫です」 女の子はしっかりと自己紹介をし、俺に笑いかけた。 「仁と違ってかわいい子だね。ほら仁も挨拶しなさいよ!」 女の子に施され男の子は渋々と挨拶をする。 「仁です‥‥」 それだけ言うと下を向いた。 この日、俺は東海林 響になった。
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