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「んでさ、響。」
タカは急に真顔になった。
そして小声で言った。
「先輩がさ、桜井さんに抜いてもらったんだよ」
「‥‥‥‥‥‥」
開いた口が塞がらないとはこのことだ。
俺はだらしなくて口を開けてフリーズしてしまった。
「おい!タカ!!!!」
気がついたらタカを怒鳴ってたんだ。
それから中学の陸上大会で優勝した時よりも必死に走って、先輩とこに走ってんだよ。
めんどくさがりで、人に興味ない俺がだよ?
「先輩っ!桜井のことは黙っといて下さい!!!!!」
先輩の前で俺は土下座した。
まださ、桜井と喋ったことないんだ。
俺の名前すら桜井は知らないよな?
でもな、俺は桜井が好きなんだよ。
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