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夏彦は言いました。
「それでは 多くの方が織姫様を心配しておられるのでは無いですか?」
織撫は少し悲しい顔になりました。
「…そうですね。天女に自由は許されません。私は皆に迷惑をかけていますね。」
夏彦が すぐに言いました。
「失礼、愚問でした。あなたにも自由の権利は 有るはずですね。
ですが地上が危険なのは事実です、織姫様のような美しい お方が1人では本当に危ない。」
「夏彦様は お優しいのですね。
私は いつどうなろうと、
この景色が有れば幸せですわ。」
そう言って儚く でも幸せそうに微笑みました。
夏彦は少し強く言いました。
「滅多な事を軽々しく言うものでは有りません。
あなたは あなただけのものでは 無いのですよ。」
「…そうかしら。」
織撫も一緒に足を水につけ、遠くを見るように足もとの水を見ています。
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