思い出

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柔らかい光 辺りを包み込む 桜木のトンネルを 手を繋いで歩いた 爽やかな風が通る 冷えた西瓜と 風鈴の優しい音色 海岸を一緒に駆けた 木枯らしが訪れる 美しい色を付けた木々 二人で個室から眺めた 肌を突き刺す風 一面が銀世界 窓から見上げた夜空… 今年も一緒だったはず 閉じ込められた個室 出ることは許されない 力無く横たわるベッド 二度と貴方の瞳に 私が映る事はない… これが二人の運命… もう貴方は居ない 私とは違う世界へ逝った ねぇ、聞こえる? もうすぐ春だよ…
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