592人が本棚に入れています
本棚に追加
おっちゃんとの出会いから約一週間たったある日、おっちゃんから電話があり
「石川くん、暇なら飯食いにいかへんか?」
「暇やからかめへんよ」
「ほなら、料亭予約とるさかいに七時にきたってや~」
「了解や。ほなまたあとで」
そして待ち合わせた料亭へといくと奥座敷へと店員に案内され襖を空けた瞬間、私は目が点になりました。
その光景とは、おっさんを上座にして何やら厳つい面々が座っているじゃないですか。
それはまるでVシネそのものですね。でも帰るわけにはいかず、
「こ、こ、こんばんわゃ」
噛んでしまいました。
「ご苦労さんです!」
挨拶をされると下の席へ座らされました。
それから約三時間ほど宴が始まりました。
おっさんの名は小川 清次といい後にこの人から盃を貰うことになるのです。
若い衆は五人いて三次団体の若頭をしていました。小川の親父は身長のわりには顔がでかくまるでガキデカみたいです。しかし、貫禄は十分です。
この宴で小川 清次とはヤクザであることを知ったのですが時もはや既に遅し(涙)
勿論、ため口も聞けるわけもなく……
とても長い夜でした。
最初のコメントを投稿しよう!