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彼の家は
日本で随一の任侠一家だ
彼は
そこの跡取り息子だ
ちょっと、
私などには近付ける人物でわない
彼が誰とどんな恋愛をしたのか
その一つ一つが魅力的さ
彼に
犯罪の手が及ばぬように
全てを私が理解しなくてはいけない
私には
自分勝手な責任感があった
もちろん
嫌われれば
私が立派な犯罪者か
指一本ものだが
ある時、私は
外出時でもトイレでも
風呂でも彼を見ていたくて
私の奥さんに頼んで
水晶で腕輪を作ってもらった
はじめは
彼に気付かれるのではと
息を止めて水晶を見ていた私だが
今では
彼の独り言に返事をしている
大笑いする事もある
そのうち
私にも子供が生まれると
私の子供も彼の本妻さんの子供に興味を持ちはじめた
この時の喜びようは
果てしなかった
私は彼と
何もかもが同じになりたくて
結婚する日
婚姻届けの提出日
セックスする日
もちろん子供の名前まで
同じにしたんだ
この子供が私と同じ事を
するんだよ
安心というか
これでこそ友達なんだ
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