5364人が本棚に入れています
本棚に追加
/406ページ
「なんで……なんでアメがこんなこと……」
私は体と声を震わせてアメに問い掛けた。
それを察したのかアメは顔を上げて私を見て答えた。
「………金の為よ」
え………?
返ってきた答えは意外にも俗的なものだった。
「実はこのTЯAP HiGH SCHOOLが始まる前に、主催者らしいヤツから電話が来て、『生徒に紛れ込み内通者になれば、報酬を与える』って。それに目が眩んだだけよ」
アメの口からは想像もつかない言葉を聞いた私は、座っているにも関わらず腰が抜けた感覚になった。
「さらに脱落者が出る度に即座に報酬を振り込まれ、学校から脱出出来たら更に莫大な報酬を振り込まれる。こんなおいしい話滅多にないわよ」
そうアメは笑いながら言った。
私は銃を握る手を緩めんとばかり気を使っていると、涙が頬を伝う感触がした。
「アメ………どうして……そんな…のって………アメじゃない……よ……」
以前から知っているアメならこんな事言うはずがない。
そう自分に言い聞かす。
涙がもう止められずにいた私にアメは………
最初のコメントを投稿しよう!