TЯAP 6

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「…………さとみちゃんが私を助けてくれたからよ」 「!?」 私は驚いて顔を上げた。 「内通者と言ってもTЯAPの答えを知ってる訳じゃない。二者択一もさとみちゃんに助けられたし、ここでもまた助けられた」 確かに。 二者択一もここで照明が落ちて来た時も私はアメを助けた。 「だから決めてたのよ。さとみちゃんだけは絶対助けたいってね」 「アメ………」 内心少しほっとしていた。 また私の知ってるアメに触れた気がしたから。 でもそれも長くは続かない。 それをアメもわかっているから、萩野に言ったんだ。 「だからこそ萩野。早く私を撃って、ここから出るのよ。アンタの言う通り時間がない」 「…………八千草。オレからも一つ聞かせろ」 萩野さアメを睨みながら言った。 気のせいかその時の萩野の体が少し震えていた気がした…… 「この後お前は……どーなるんだ……?」 「……………さぁね」 そう言葉を濁らせたアメは、ゆっくり目を閉じて言った。 「萩野………お願い」
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