TЯAP 6

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赤外線銃で爆弾魔(ボマー)を撃てば私達の勝利で扉は開かれる。 それでこのTЯAPは終わり。 ただそれだけの事だと思っていた。 萩野がその引き金を引く瞬間までは。 そして一瞬で私達は凍りついた。 「え…………?」 引き金を引いた瞬間に、耳を裂く様に轟いた銃声と、アメの体から吹き出る大量の血液が私の視界に広がった。 「い…………ゃ……」 何よ…………… これ……… 「いやぁあああああああ!!」 その凍りついた沈黙を裂く様に私は叫んだ。 「アメ!?」 「八千草!?」 それに乗じてマヤと萩野も駆け寄り、倒れたアメの体を支える。 「なんなのよこれ!?赤外線が出るんじゃなかったの!?」 「いや違う!!この銃から発した弾じゃない。おそらくこの暗闇を利用して本物の銃で撃ってきやがった…………敗者を完全に処分する為って事かッ!!!」 誰もが予想しえなかった事に私達が錯乱している間に、体育館の扉が大きな音を上げて開かれていく。 「見て、扉が……」 「ここから出て早くアメを手当しないと!?」 そう私が言ったのもつかの間。 更なる悲劇が私達を襲う。
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