TЯAP 6

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……そして、間一髪。 私達は扉が閉まる一歩手前で体育館を後にした。 萩野が背にした重たい扉が閉まると同時に………… 扉の向こうから 全てが崩れ落ちる轟音が響いた。 私は萩野の腕から降りて。 足の痛みなどまるで感じないほどの絶望を抱えて、扉まで歩み寄った。 泣き叫び、その扉を開けようと力いっぱい小さな拳で鉄の塊を叩き続けた。 やがて、私は足の痛みを思い出し、その場で崩れ落ちた………… 「アメ……アメぇ………」 ウソだ……こんなの………… こんなのイヤだよ………… 私は拳を真っ赤にして、その場に座り込んだ。 「……もういいだろう沢咲」 萩野は私に近づき、背中越しに 言った。 「八千草自身も言っていただろう。ヤツは自分の為にオレらを殺そうとしていたんだぞ。もしかしたらお前も殺されていたかもしれないのに」 確かに、萩野の言う通りだ………… だけど………… 「やらなければやられていた。それが現実だ。いい加減に目を覚ませ」 気のせいか、そういっている萩野の声に何故か迫力というものを感じなかった。 むしろ、声が震えていた…………
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